「yama / 春を告げる」の作詞作曲者としても有名なボカロP「くじら」氏の使用機材についてまとめました。
筆者による各機材のレビューもございますので、併せて参考にしていただければ幸いです。
PC環境
Windows デスクトップPC
詳細情報
ソース
1枚目の画像に写っているモニターの画面に、Windows OSのUIが表示されています。
解説
くじらさんのお使いになっているPCの詳細スペックは不明だったので、本項ではDTMに必要なPCスペックの目安を提示するに留めます。
- CPU:最新世代 Core i5 / Ryzen 5 / Apple M1以上
- メモリ:16GB以上(生音中心なら8GBでも可)
- ストレージ:SSD512GB以上(サブストレージとしてならHDDもあり)
DAW
STEINBERG / Cubase Pro 12

詳細情報
ソース
下記ツイートの1枚目及び2枚目の写真に、Cubaseのプロジェクト画面が写っています。
解説記事
国内トップシェアの大定番DAWです。詳しくは以下の記事で解説しております。

オーディオインターフェイス
UNIVERSAL AUDIO / APOLLO TWIN USB Heritage Edition

詳細情報
ソース
解説
2基のDSPチップ、及びUnison対応のマイクプリアンプを2基搭載した、Windows専用のUSB-C接続型ハイエンド・オーディオインターフェイスです。
DSPが内蔵されていることにより、世界中のプロが愛用しているUADプラグインを使うことができる他、「Unison」機能にも対応していますので、非常に再現度の高いアナログ名機のトーンを得ることができます。
ちなみに「Heritage Edition」というのは、標準で付属するプラグインの他に追加で5種の人気プラグイン(1,300$相当)を付属したスペシャルエディションのことで、非常にお買い得となっています。
ヘッドフォン・スピーカー
audio-technica / ATH-R70x

詳細情報
情報源
下記ツイートの添付写真に写っています。スロットが入ったヘッドバンドとハウジングの形状から「ATH-R70x」だとわかります。
【GiGS3月号/1月27日発売】
— GiGSmagazine (@GiGS_Official) January 24, 2022
💻DTM特集 クリエイター紹介2⃣
続いてご登場いただいたのは くじらさん🐋
初めてオリジナル曲を作ったエピソードや代表曲「金木犀」が生まれた経緯を語っていただきました🌟
くじらさんの作業環境も要チェック🤩https://t.co/UEGvKYDxSe pic.twitter.com/nAN2NeELpS
説明
「ATH-R70x」は、2015年3月20日にオーディオテクニカよりリリースされた同社初のプロ向け開放型モニターヘッドホンです。
本機のために開発した45mm径大口径ドライバーユニットと音響回路設計により、5~40,000Hzの再生周波数帯域と全帯域において歪みのないピュアサウンドを実現しています。
業務用機器との接続が想定されているため、インピーダンスは470Ωと高く設計されています。従って、使用する場合は別途ヘッドフォンアンプ/オーディオインターフェイス等を用意することをお勧めいたします。
audio-technica / AT-SP93 WH(後継:AT-SP95)

詳細情報
ソース
解説
かつて「audio-technica(オーディオテクニカ)」が販売していた、重低音に特化したリスニング用スピーカーです。
モニタースピーカーではないので、ミックス作業用途ではなく完成音源のチェック用(あるいは音楽鑑賞用)として使っているのだと思われます。
2021年11月19日からは、後継モデルの「AT-SP95」が販売されています。サイズ感はそのままに、ボリュームノブが前面に移動したり、コンセントからの給電が不要(USBバズパワー対応)になったりなどの改良が施されています。
マイク
RODE / NT1000
詳細情報
ソース
2021年3月16日に放送された「ヒャダ×体育のワンルーム☆ミュージック」にて、くじらさんのインタビュー動画が流れた際に本機が映り込んでいました。
解説
オーストラリアのマイクメーカー「RODE」が販売している、定番ボーカル向けトランスレス・コンデンサーマイクです。
一般にトランスレス仕様のマイクは耐ノイズ性能が低いと言われていますが、本機は「RODE」が新たに開発した超低ノイズ・トランスレス回路を採用した他、内部ショックマウント構造を有しているため、ノイズにとても強くなっています。
その上、トランスレス仕様マイクの利点である「より原音に忠実な音響特性、ダイナミックレンジの広さ」を有していますので、ボーカルだけでなくピアノ等の楽器録りまで、様々なシチュエーションで活躍します。
RODE / SM6
詳細情報
ソース
2021年3月16日に放送された「ヒャダ×体育のワンルーム☆ミュージック」にて、くじらさんのインタビュー動画が流れた際に本機が映り込んでいました。
解説
RODE製ラージダイアフラム・コンデンサーマイク用のショックマウントです。
サスペンションによって低域のノイズによる外部振動(接地面からの反動)を遮断し、ノイズのないクリアなレコーディングを可能にします。
また、取り外し可能なポップガードが付いています。
適合モデルは次の通りです。【NT1A、NT2A、NT1000、NT2000、K2、NTK】
※NT1AとNT2Aは購入時にSM6が付属、NT2000とK2にはSM2(別モデル)が付属します。
ギター・ベース
GiGS (ギグス) 2022年 3月号
詳細情報
説明
本書に掲載されたくじらさんのインタビューにて、所有されている6本のギターと2本のベースについての言及があります。
ギター・ベース用アンプ / エフェクター
Kemper Profiling Amplifier / PROFILER STAGE

詳細情報
情報源
下記ツイートの添付写真(2枚目の中央下)に本製品が写っています。筐体のカラーとディスプレイの位置から「Profiler Stage」だとわかります。
【GiGS3月号/1月27日発売】
— GiGSmagazine (@GiGS_Official) January 24, 2022
💻DTM特集 クリエイター紹介2⃣
続いてご登場いただいたのは くじらさん🐋
初めてオリジナル曲を作ったエピソードや代表曲「金木犀」が生まれた経緯を語っていただきました🌟
くじらさんの作業環境も要チェック🤩https://t.co/UEGvKYDxSe pic.twitter.com/nAN2NeELpS
説明
ドイツの音響機器メーカー「Kemper Profiling Amplifier(通称:ケンパー)」が製造・販売している、様々なアンプやキャビネットのサウンドをプロファイルできる「Kemper Profiler」のフロアタイプ版です。
同社のフットコントローラー「REMOTE」と「Profiler Head(あるいはRack)」を一つにしたような製品であり、5つのフットスイッチでセッティングを切り替えたりできるのは「Remote」と同じで、機能とサウンドは「Profiler Head and Rack」と同じです。※PROFILER STAGEにパワーアンプ内蔵モデルはない。
本機を含めたKemperのプロセッサーは、独自開発の「プロファイリング・テクノロジー」によって実際のアンプ/キャビネット/エフェクターが持つ音響特性を記録・再現することができ、実質これ一台で世界中のあらゆる機材のサウンドを出力することができます。
購入時から数百種類のプリセットが用意されていますが、更に自分で本機と手持ちのアンプを繋げることによってプロファイリングが可能ですし、オンライン上で有志が作成したプロファイルをダウンロードして使うこともできます。
MIDI入力機器
KORG / microKEY2-49 Air

詳細情報
ソース
下記ツイートの添付動画、並びにNHKで放送された番組本編にて本製品が映っていました。
火曜の夜は
— ヒャダ×体育のワンルーム☆ミュージック (@nhk_1rm) March 16, 2021
「ワンルーム☆ミュージック」
▼今夜 10:50 #Eテレ
SP企画
🔥 ワンルーム作曲実況🔥
自宅のワンルームで
曲を作る2人をモニタリング 🖥️
ゲストは #眉村ちあき #TORIENA
お楽しみに✨ #yama 「#春を告げる」の
作詞作曲を手がけた
#くじら 特集も #ワンルームミュージック pic.twitter.com/LD2NJJxCoE
解説記事
KORGから販売されている、無線と有線接続の両方に対応したMIDIキーボードシリーズ「microKEY2 AIR」の49鍵モデルです。本製品並びにMIDIキーボードについては、以下の記事で詳しく解説しています。

ソフトウェア音源
マルチインストゥルメント
Native Instruments / KOMPLETE 13
詳細情報
ソース
2021年3月16日に放送された「ヒャダ×体育のワンルーム☆ミュージック」にて「くじら」さんのインタビュー動画が流れた際に、映り込んだDAWのプロジェクト画面にkontaktをはじめとするNI製品が多数表示されていました。
グレードは不明ですが、kontaktを所有されていることから少なくとも無印版以上であることは確実です。
解説
音楽制作に必要なあらゆるサウンドを全て備えた業界標準の総合音源です。このバンドルとDAWだけで曲を作っているプロもいるほどです。
収録されている音源やエフェクトの数によってグレードが分けられているので、予算に合わせて選ぶとよいでしょう(後から上位版へアップグレードが可能です)。
ちなみに無印版には、68個のインストゥルメント&エフェクトに、24種類のExpansions(サンプルパック)という、合計で35,000以上のサウンドが収録されています。
シンセサイザー
Xfer Records / Serum
詳細情報
ソース
2枚目の画像に写っているDAWのインストゥルメントトラックに、本製品の名前があります。
解説
近頃の第一線で活躍されているプロミュージシャンで使っていない人はいないんじゃないかというレベルで使用者が多いウェーブテーブル方式シンセサイザー音源です。
非常にくっきりとしたデジタル感のある音が特徴的で、EDMからFuture Bass、ポップスと幅広いジャンルで使用されています。
各社・各個人からプリセットパックが多数配布されているので、これから初めてシンセ音源を買おうとしている初心者の方にもオススメできます。
ピアノ・キーボード
NOISEASH / Sweetcase E.P.

詳細情報
ソース
2枚目の画像に写っているDAWのインストゥルメントトラックに、本製品の名前があります。
解説
トルコを拠点とするプラグイン・メーカー「NoiseAsh」が無料でリリースしている、kontakt不要のエレクトリックピアノ音源です。
音色は1種類のみですが、内臓のモジュレーションやEQ等によって調整された6種のプリセットが用意されています。もちろんパラメーターは自分で弄ることも可能です。
無料とは思えないクオリティーですし、容量も200MB程度なので、とりあえずダウンロードすることをオススメします。
GiGS (ギグス) 2022年 3月号
詳細情報
説明
本書に掲載されたくじらさんのインタビューにて、よく使うサードパーティ製のピアノ音源について言及されています。
ボーカル音源
GYNOID / VOCALOID4 Library v4 flower 単体版

詳細情報
ソース
ゲストボーカルを迎えた楽曲以外では、一貫して「v4 flower」を使っています。また、ゲストボーカル楽曲を作る際も、仮オケは「v4 flower」で制作しているみたいです。
解説
ロックに特化したパワフルな声が特徴の「VOCALOID4」用歌声ライブラリです。
声優は非公表ですが、中性的な声色が特徴的で、少年のように伸びる中〜高音域と、憂いを帯びた切ない低音域を兼ね備えています。
使用するには「VOCALOID 5」もしくはクリプトン製の歌声ライブラリに付属する「Piapro Studio」が必要です。本ソフト単体では使用できないのでご注意ください。
ソフトウェアプラグイン
アンプシミュレーター系
Waves / GTR3
詳細情報
ソース

解説
Fender、Marshall、Mesa Boogie、Vox 等の人気アンプを解析して開発された Waves のアンプシミュレーターです。
19種類のギターアンプ、7種類のベースアンプ、22種類のキャビネット、26種類のエフェクターを収録しており、幅広いジャンルのサウンドメイキングに対応しています。
単品での購入も可能ですが、本プラグインは Gold 以上の Waves バンドルに含まれていますので、バンドルで手に入れることをオススメいたします。
マルチエフェクター
Waves / Greg Wells PianoCentric
詳細情報
ソース

解説
グラミー賞を何度も獲得した経歴のあるプロデューサー「グレッグ・ウェルズ」とWaves社が共同で開発した、ピアノ専用ミキシングプラグインです。
グレッグ・ウェルズが培ってきたピアノのミキシングテクニックが5つのパラメーターに凝縮されており、これらを調整するだけで簡単にピアノの質感を増すことが可能です。
単体購入も可能ですが、グレッグ・ウェルズが監修したWavesプラグインを全て収録した「Greg Wells Signature Series」というバンドルを購入した方が圧倒的にお得です。
その他
SERATO / SAMPLE

詳細情報
ソース
2021年3月16日に放送された「ヒャダ×体育のワンルーム☆ミュージック」にて「くじら」さんのインタビュー動画が流れた際に、映り込んだDAWのプロジェクト画面に本製品の名前がありました。
解説
Serato Sample は、Pro Toolsを使うプロエンジニア向けに開発された業界標準タイムストレッチ&ピッチシフト・プラグイン「Pitch ‘n Time」と同じアルゴリズムを内蔵した、唯一無二のサンプラーソフトです。
サンプリングされた楽器の音を読み込んで総合マルチ音源のように使う「KONTAKT」等のサンプラーとは異なり、「Serato Sample」は、読み込んだサンプルをチョップしたりピッチを変更したりと、素材を加工して新たな音色・フレーズを作ることに特化しています。
例えば、元のピッチを崩さずに1/8から8倍のBPMまで自由に変化させることが可能なタイムストレッチ機能や、サンプルのスピードやタイミングを保ったまま36セミトーン(±3オクターブ)まで変更可能なピッチシフト機能を搭載しています。