作曲を始めたはいいものの、あの曲と同じような雰囲気が出せないなぁ・・・
あのジャンルって、どうやったらそれっぽい雰囲気が出せるんだろう・・・
本記事はそんなお悩みを抱えた方に超おすすめの作曲ハウツー本、「コード編曲法〜藤巻メソッド〜」をレビューします。
各ジャンルに特有のコード進行・楽器構成・フレーズを理論化!
ロック・ファンク・ハウス・ジャズなど音楽には様々なジャンルがありますが、同じジャンルに属する曲というのはいくつかの共通点があります。代表的なものとしては、構成楽器、各楽器のフレージング、そしてコード・スケール理論の3つがあります。
本書ではチャイコフスキーの弦楽セレナーデという曲のメロディに対し、この3つの観点に基づいた理論的なアレンジを施すことで各ジャンルの雰囲気を構築するという手法をとっています。同じメロディなのに編曲することでこんなにも雰囲気が変わるのか!と実感できます。
したがって、本書の内容をしっかり学ぶことで、例えば作りたいジャンルがロックだとしたら「ディストーションギターがあるとロックっぽい」みたいな曖昧なイメージではなく、「ペンタトニックスケールを使って3拍で割ったフレーズを作るとロックの雰囲気が出せる」といった明確な理論に基づいて作曲ができるようになります。
解説されているジャンルは以下の12種類です。
- ボサノバ
- トランス
- ロック
- ファンク
- ソウル
- ディスコ
- テクノ
- レゲエ
- サルサ
- ハウス
- アンビエント
- ジャズ
一つでも作りたいジャンルがあったら購入するのをオススメいたします。レゲエやサルサの作り方について解説した邦書は本書以外に見たことがありませんので、これらのジャンルを作りたい人には特にオススメです。
以下の動画は、著者である藤巻氏が自らのチャンネルで公開している「コード編曲法」の内容紹介ムービです。7分20秒あたりから、各ジャンル風にアレンジされた弦楽セレナーデのデモソングを聴くことができます。
編曲法という題名だけど、基礎的なコード理論の解説もあり
本書では始めの30ページを序章と位置付け、メジャースケールからダイアトニックコード、アボイドノートやツーファイブ進行などなど、基礎的なコード理論について網羅的に解説がなされています。
理論を知らない人でもわかるように平易な書き方がされているものの、個人的には本書の前に何か1冊、初心者向けの本を読むことをオススメいたします。その方が本書を読んでいる途中でつまづくことがないと思います。
オススメは「作曲少女シリーズ」です。極限まで理論を排した作曲方法を解説していることで高い評価を得ているライトノベル型作曲本です。筆者も読んでレビューをしていますので、併せてご覧ください。
デモ音源・MIDIデータ・楽譜の他、ムービーや音声講義まで付いてくる!
本書に付属するDVDには、各ジャンル風にアレンジされたデモ音源の他にも直接DAWに貼り付けて使用できるMIDIデータや、五線譜のPDFデータが付いています。
特にMIDIデータはDAWに貼り付けた後に編集が可能ですので、ご自身でデモ音源に更なるアレンジを加えるといったこともできます。作曲を初めたばかりの時は1から曲を作るのが中々難しいので、既存の音源を自分なりに少しアレンジするといった手法はオススメです。
また、著者の藤巻氏による音声講義も付いてきます。藤巻氏の声はフレンドリーや聴き取りやすいので、ラジオ感覚で本書の内容を学ぶことができます。デモ音源を流しながら解説をしてくださるので、本を読みながら一々音楽プレーヤーでデモ音源を再生するという手間がなくなり、個人的にはとても助かりました。
そしてムービーですが、こちらは著者が使用しているソフトウェア音源やプラグインソフトの使い方を収録したものとなっております。著者と同じソフトを使っている方にはとても助かるのではないでしょうか?
編集後記
いかがでしたか?
本書は各種レビューサイトでも高い評価を得ており、かなり信頼の置ける著書となっております。
DTMを始めたばかりの方から、色々なジャンルの曲を作ってみたい中級者・上級者の方まであらゆるDTMerにオススメです!