- 最高峰の音質とビルドクオリティ
- 真空管冷却フィンによって実現されるクリアなサウンド
- 単一指向性と無指向性を切り替え可能
- 非常に高価
- 別売りの専用電源が必要
ブランド | SONY |
カテゴリ | コンデンサーマイク |
販売期間 | 1992年6月 ~ 2018年12月19日 → 2021年1月末販売再開 ~ 現在 |
ユーザー | Vaundy じん 井上拓/TAKU INOUE 神山羊/有機酸P 神前暁 |
SONY C800G/9Xは、世界中のレコーディングスタジオで使用されている真空管コンデンサーマイクです。
メリット
最高峰の音質とビルドクオリティ
C-800G/9Xは真空管のメリットである「力強く豊かで温かみのあるアナログサウンド」を実現するとともに、FET式コンデンサマイクに劣らないレスポンスの良さを有しています。
更に、マイクボディの共振による濁り音を排除する防鳴筐体構造や、ラージダイアフラムカプセルによる広いダイナミックレンジと高SPL耐性、そして独自の真空管冷却システム(後述)により、ノイズや歪みを極限まで抑えた超クリアなサウンドを実現しています。
また本機の生産は、大分県にあるソニー・太陽株式会社にて、SONYのエキスパート認証制度をクリアした職人のワンオペによって行われています。綿密な生産工程と確かな技術により、市場に出回るマイクの中でも最高峰のビルドクオリティを有しています。
実際にC-800G/9Xの音質と信頼性・耐久性は世界的に高く評価されており、 Dr Dre、Eminem、Kanye West、Snoop Dogg、Mariah Careyなど、多くの世界的アーティストが使用した実績があります。
真空管冷却フィンによって実現されるクリアなサウンド
C-800G/9Xの背面には、真空管の性能を最大限発揮するために「電子冷却素子(ペルチェ素子)、ヒートパイプ、放熱器」で構成される真空管冷却機構が装備されています。
ペルチェ素子には、直流電流を流すと素子の片面が高温、反対面が低温になって熱を吸収する特性があるのですが、C-800G/9Xではこれを利用して真空管を冷却することで、高調波ひずみの低減と透明感のある音質を実現しています。
ちなみに、こうした冷却機構自体は他社製の真空管コンデンサマイクにも備わっていますが、筐体内部に配置されているのが一般的です。一方C-800G/9Xの場合は、本体背面(外部)に配置されています。
このようなユニークな配置となった理由としては、日本の様な高温多湿環境下では冷却部に結露が生じる可能性があり、それによって内部機構が故障するのを避けるためとされています。
単一指向性と全指向性を切り替え可能
C-800G/9Xはφ34mmのデュアルダイアフラムを搭載しており、グリル下部に装備されたスイッチを使って単一指向性と全指向性を切り換えることができます。
状況に応じて柔軟なマイキングが可能です。
デメリット
非常に高価
製造に高度な技術が要される真空管マイクである点や、独自の冷却機構を装備したことにより、希望小売価格は「1,012,000円(税込)」となっています。
また、本機を使うには別売りの専用電源「AC-MC800G/9X」が必須で、そちらも小売価格「312,400円(税込)」と高価です。
ただ本機を個人で所有する方は少なく、実際の購入者としてはレコーディングスタジオ等の法人が多いため、値段の高さはデメリットにはならないかもしれません。
ちなみに、生産終了前の「C-800G」は「650,000円(税込)」で専用電源「AC-MC800G」が「110,000円(税込)」と現行品よりもかなり安かったため、プロ向けの業務用機器としてはコスパが良いことでも知られていました。
生産中止前と後で仕様上(スペックシート)の変更がないにも関わらず大幅な値上げが実施されているので、割高感は否めません(そもそもの生産中止理由として、人件費や材料費の高騰が背景にあったのだと思われます)。
別売りの専用電源が必要
C-800Gには、真空管を安定して動作させるため、また先述のペルチェ素子を利用した冷却機構を動作させるために、専用の外部電源(型番:AC-MC800G/9X)が必須となっています。
これにより、一般的なマイクと比べると可搬性には少々厳しい面があります。
一応「C-800G/9X」には、本体と専用電源、その他アクセサリーを収納して運ぶためのキャリングケースが付属します。