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【2023年】DTMの始め方!〜基本知識と必要機材について〜【解説】

近年、様々な事情から在宅時間が増えたことにより、楽器や作曲(DTM)に興味を持ち始めた方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、DTMを始めるために必要な機材と基本的な知識についてわかりやすく解説していきます。

「DTMを始めたいとは思ったけれど、PCやソフトに対する前提知識がなくて心が折れかけている」という方々の一助になれば幸いです。

目次

そもそもDTMとは?

ギターを使って音楽制作する男性の写真。

DTM(読み:ディーティーエム)というのは「Desk Top Music」の頭文字を取ったもので、パソコンを使った音楽制作手法のことを指します。

現代の楽曲制作はPCを使うのが主流なので、「DTM=楽曲制作」のような意味で使われていることも多いです。

厳密に言えばパソコンを使わない制作スタイルはDTMとは呼ばないのですが、実際は曖昧です。

ちなみにDesk Top Musicは和製英語であって、海外では同様の意味を表す用語として「Computer Music」とか「Bedroom Production」が使われています。そっちの方が理にかなっていると言うか、直感的ですよね。

「DTMって言うけどさぁ、じゃあ床にノートパソコン置いて制作するスタイルはDTMじゃないんですかぁ?」と聞かれたら、Yesと答えるのを少し躊躇してしまいます。確かにデスクトップ(卓上)じゃねぇな、って(笑)。

最低限必要な機材一覧

DTMを始めるにあたって、最低限必要な機材は以下の通りです。

  1. パソコン(スマホ、タブレットも可)
  2. DAW
  3. モニター・ヘッドフォン(イヤホン)

あれ?これだけ?と驚かれる方もいらっしゃるかと思いますが、これだけでもDTMはできます。

もちろん、他の機材も用意した方が効率が良いのは確かですが、初めから色々と物を揃えなくてもDTMはできるよ、ということをご理解いただければと思います。

それでは順を追って説明していきます。

パソコン

MacBook Proの写真。

DTMを始めるに当たって、何よりも必要なのは「PC(パソコン)」です。

よし!パソコンね!いつも使ってるパソコンあるわ!

って思った方、ちょっと待ってください。音楽制作をはじめとしたクリエイティブな作業をするためには、どんなPCでもOKというわけにはいかないんです。

というのも、PCの「スペック(=仕様・性能)」が十分でないと、快適な楽曲制作ができない可能性があるのです。

スペックには様々な指標があり、細かい所まで見ると非常に煩雑なのですが、DTM用にPCを選ぶ際は「OS、CPU、RAM、ストレージ」といった4つの指標を見ればOKです。

以下のアコーディオンボックスをクリックorタップすると各用語についての詳しい説明が表示されますが、結構長いので興味のない方は飛ばしていただいても構いません。


OS(Operating System)

OSとは、コンピュータシステムを動作させるための基盤となるプログラムを指します。

有名なOSとして、Apple社の「Mac OS」、Microsoft社の「Windows OS」が挙げられます。

どちらを選ぶのかという話ですが、DTM用途に限れば正直どちらを選んでも問題ないです。

両OS間で対応しているソフトに多少の違いはあれど、優劣はほぼ存在しません。

従って、好きなミュージシャンが使っているOSと同じものを選択するのが良いかと思います。

本ブログではミュージシャンの使用機材について解説した記事が沢山あるので、後ほど時間のある時に併せてご覧いただければ幸いです。

参考までに、WindowsとMacの違いは以下の通りです。

Windows
Mac
  • 本体が安い(コスパ◎)
  • 製品のバリエーションが多い
  • Windowsでしか使えないフリープラグインが結構ある
  • 外部機器は、実際に接続してみるまで相性問題の有無すらわからない
  • 本体が高価(コスパ△)
  • 製品のバリエーションが少ない
  • Appleの純正DAWが使える
  • 外部機器との相性問題が生じにくい

選択基準の一例ではありますが、価格に対する性能(コストパフォーマンス)は圧倒的にWindowsの方が優れていますので、予算が限られている方やコスパを重視する方は、Windowsを選ぶと良いでしょう。

また、製品のバリエーションが多い(拡張性が高い)のもWindowsです。

各メーカーから様々なモデルが販売されており、自分の予算や求める機能、好みのデザインに応じて選ぶことができます。

更に、自分の好きなパーツでPCを組み立てる自作PCも可能です。自作PCであれば必要に応じてパーツを入れ替えることもできますね。


一方でMacは、コスパの面ではWindowsに劣るものの、サードパーティ製ソフトウェアやハードウェアとの相性問題がWindowsに比べて生じ辛い(安定性が高い)というメリットがあります。

というのも、WindowsOSは各メーカーが独自に選択あるいは開発したパーツで構成されたPCに搭載されているのに対し、MacOSはApple製のPCにしか搭載されていないからです。

つまり、ソフトウェアやハードウェアの開発者達が自社製品の動作テストを行う際、MacであればMacbook Air、MacBook Pro、iMacなど数台で済みますが、ほぼ毎日のように新製品が発売されている古今東西のメーカー製WindowsPCを集めてテストするのは事実上不可能ということです。

従って、このメーカーのWindows PCでは問題なく動作したのに別のメーカーのPCでは動作しない、なんてケースがWindowsでは生じやすいです。

しかし、サードパーティ製品の絶対量で比較したら、Windows OS向けの製品の方が圧倒的に多いのは言うまでもないため、ここは一長一短ですね。

※ちなみにDTMとは関係ありませんが、Steam等のPCゲームも快適に遊びたいと言う人はWindows一択です。ゲーミングPCとして売られているモデルは非常に高性能なものが多いため、迷ったらゲーミングPCを買っておけばPCゲームとDTMの両方に対応できますよ。

CPU(Cetral Processing Unit)

一般にCPUは「PCの頭脳」と表現されます。つまり、CPUの頭が良い(性能が高い)ほど複雑な処理も素早く行うことができます。

CPUの性能を表す指標には様々なものがありますが、特に注目すべきは「クロック周波数(Hz)」、「コア数/スレッド数」、そして「シリーズ名」です。

クロック周波数が高いほど動作が速く、コア数/スレッド数が多いほどCPU全体の処理能力が高くなります。

どちらも数値が大きいものほど性能が良いということですね。

パソコン工房さんによる説明では、クロック周波数は「シェフの動きの速さ」、コア数は「シェフの数」、スレッド数は「一人のシェフに与えられたガスコンロの数」と例えられています(わかりやすい!)。

CPUを販売しているIntel社やRyzen社は、これらの各要素が総合的に優れている順に「シリーズ名」を付けて販売しています。

Intelであれば「Core i3、i5、i7、i9」、AMD Ryzenでは「Ryzen 3、5、7、9」などが有名です。こちらも数字が大きいものほど優れていることを示します。


Macについては、かつてはIntel CPUを搭載していたものの、現在は独自開発CPUである「M1チップ」を搭載しています。

このM1チップは性能がずば抜けており、DTMぐらいであれば余裕で行えるので特に神経質になる必要はありません。


DTM用途においては、以下の基準を満たせば快適に作業ができるでしょう(大編成のオーケストラ楽曲を打ち込んだりしない限り)。

IntelとRyzenについては、シリーズ名が5以上であれば4コア/8スレッド以上でクロック周波数が2.8Ghz以上であることが多いです。

なので細かい数値を見ずとも、とりあえず最新世代のIntel Core i5 か Amd Ryzen 5 以上のCPUを搭載したPCを選べば問題ありません。M1 MacだったらどれでもOKです。

Intel Core i5 / Amd Ryzen 5 / Mac M1 以上(クロック数:2.8Ghz以上、コア数:4以上)

RAM(Random Access Memory)

メモリ(RAM)とは「データやプログラムを一時的に記憶する部品(主記憶装置)」のことで、一般に「作業する机の広さ」に例えられます。

「RAMの容量が多い=机が広い=同時に行える作業が増える」と言うことですね。

つまり、いくらCPUの性能が高くても、RAMが少ない(机が狭い)と同時に起動できるアプリや処理できる作業の数は少なくなります。

DTMにおいては、同時に実行できるトラックやプラグインの量に大きく関わってきます。

各社のDAWやプラグインの最低推奨環境は8GB以上と示されていることが多いですが、可能であれば16GB以上のRAMを積むことをお勧めいたします。

8GBは、ギターやマイクなどの録音を行うために必要となる最小値と捉えてください。

RAM 16GB以上(レコーディング中心なら8GBでもOK)

ストレージ

ストレージは「パソコンのデータを長期間保存しておくための補助記憶装置」のことで、一般に「机の引き出しや棚」に例えられます。

いかに巨大な作業机(RAM)があったとしても、スペースには物理的な限界がありますよね。

なので、目下の作業に必要のないデータを一旦保管しておける場所があると便利です。それが、ストレージという訳です。

ストレージの種類としては、HDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)、USBメモリ、CD、SDカードなどが存在します。

また、PCの筐体に内蔵されているものは「内部ストレージ」、PCのUSB端子などに接続して使うものは「外部ストレージ」と呼ばれます。


PCの内部ストレージにはHDDかSSDが採用されていますが、近年はSSDが主流となっています。

これは、SSDはHDDよりも非常に高速でデータの読み書きが行えるからです。

OSやアプリをHDDに保存している場合とSSDに保存している場合では、起動の速さや処理速度が大きく異なります。

一方で、HDDは容量に対するコストが安いので、長期間使わないようなファイルを保存しておくためのサブストレージとして使われることが多いですね。

音楽制作においては、SSD512GB、予算があれば1TBを搭載したPCを使うことをお勧めいたします。

ソフトウェア音源やプラグインには結構な容量を持つものも多く、制作を続けるに連れてほぼ確実に容量が足らなくなっていきますから・・・。

SSD 512GB以上(サブストレージとしてならHDDもあり)

Windowsデスクトップであれば、内部ストレージとしてSSDとHDDの両方を搭載できることが多いです(BTOなら確実に可能)。

メインはSSD512GB、サブにHDD1TBという感じですね。

Mac製品に関しては、内蔵ストレージはSSD形式しか選べない上に、市販のSSDを追加する場合よりも費用が非常に高額となっています。

これにより、内蔵SSDは256GBにして後から市販の外付けSSDを購入する人も多く見られます。

ちなみに、メモリとストレージはどちらも記憶装置に該当しますが、メモリが一時的な保存(PCの電源を切るとデータが消える)なのに対し、ストレージに保存されたデータはPCの電源を切っても消えないという違いがあります。

保存期間が異なると言うことですね。


上記の長ったらしい説明をまとめたのが以下の表になります。

DTMに必要なPCスペック
  • CPU:最新世代 Core i5 / Ryzen 5 / Apple M1以上
  • メモリ:16GB以上(生音中心なら8GBでも可)
  • ストレージ:SSD512GB以上(サブストレージとしてならHDDもあり)

今現在所有しているPCが上記の水準を満たしていれば、そのまま使っても問題なくDTMを始められるでしょう。

一方で、所有PCのスペックが低かったりこれから新しくPCを買うという方は、上記の表を参考に選んでみて下さい。

スマホやタブレットじゃ駄目?

ダメということはありません。

と言うのも「Garageband」や「FL Studio Mobile」など、モバイル端末向けのDAWも数多く存在するためです。

ただ、作業のしやすさや拡張性はPCの方が圧倒的に上なので、本格的に作曲を始めたい方はPCを選ぶことをお勧めいたします。

もちろん、気軽にDTMを体験できるという点では全然アリなので、PCを持っていない方はスマホにDAWをインストールしてみると良いでしょう。

DAW

DAW(Digital Audio Workstation)とは、楽曲制作に必要な機能を網羅的に備えたソフトウェアのことです。

「ダウ」とか「ディー・エー・ダブリュー」と呼ばれています。

ボーカルや楽器の録音&編集に加え、ソフトウェア音源を使用した打ち込み、更にはミックスと呼ばれる「トラックの音量バランスを調節する作業」に至るまで、楽曲制作に必要な作業を全て実行できます。

DAWを使えば、大規模なレコーディングスタジオに行ったり高価な業務用機器を揃えなくても、個人で楽曲制作を完結できるというわけです。


各社から数多くのDAWが販売されていますが、主な違いは操作性やGUI(見た目)であって、できること自体はどのソフトもほぼ変わりません。

自分の制作スタイルや好みに応じて、あるいは自分の好きなアーティストが使っているから、という理由で選んでも全く問題ありません。

ただ一点注意としては、Apple社が販売している「Logic Pro X」というDAWだけは、Mac OSでしか使えません。

Logicを使いたいという方は、必然的にMacを使う必要があるということだけは覚えておいてください。

DAWについての解説や選び方については、以下の記事で詳しく解説しております。

モニター・ヘッドフォン(イヤホン)

究極を言うと、音が聴けるのであれば、PC内蔵スピーカーやリスニング用ヘッドフォンでも曲作りは可能です。

ただそれだと、出来上がった楽曲のクオリティはいまいちなものになる可能性が高いです。

というのも、内蔵スピーカーやリスニング用ヘッドフォンは、音楽を聴くのに最適化(音に色付け)されているからです。

よく「超低音!」とか「BASS BOOST」なんてキャッチコピーが付いた製品が売っていますよね、あれがそうです。

仮に、DTMをする際に低音がブーストされているヘッドフォンを使ったとしたら、出来上がったトラックを別のヘッドフォンで聴いたら低音がスッカスカに感じることでしょう。

だって、製作時に聴こえる音は低音がブーストされてしまってる訳ですから。

更に、制作の過程でトラックに混入してしまった微細なノイズや音割れに気付けない可能性もあります。

従ってDTMにおいては、低音から高域に至るまでをフラットかつクリアに鳴らせる(=モニターできる)再生機器が必要だということです。

それを実現するのが、モニター・ヘッドホンというわけですね(モニター・スピーカーについては後述します)。

必要に応じて揃えるべき機材一覧

本項では、長くDTMを続けるなら揃えるべき機材、あるいは制作スタイルによって必要となる機材をご紹介します。

なくてもDTM自体はできるので、後で予算を捻出できた際に揃えるのもOKです。

  1. モニター・スピーカー
  2. オーディオインターフェース
  3. MIDIキーボード
  4. 外部音源、プラグインソフト
  5. マイク
  6. ギター、ピアノ等の楽器

モニター・スピーカー

先述したモニターヘッドフォンと同じく、モニタースピーカーは「フラットな音響特性を持つスピーカー」のことです。

モニターヘッドホンだけでもいいんじゃないの?と思われるかもしれません。

ですが、音の奥行き感や定位感をチェックするのにはモニタースピーカーの方が適していますので、可能であればスピーカーも用意することをお勧めいたします。

プロの現場でも、モニターヘッドフォンで細かい部分を確認し、モニタースピーカーでミックス全体の聴こえ方を確認する、というのがオーソドックスな手法となっています。


ただ、集合住宅や都会などの密集地域に住んでいる方は、近所迷惑防止の観点から大きな音を出せない(=スピーカーを設置できない)場合もあるかと思います。

その場合は、低音の表現力に優れた密閉型モニターヘッドフォンと、奥行きの表現力に優れた開放型モニターヘッドフォンを併用するなどして、十分に対応可能です。

それか、最終チェックの段階だけ個人向けの小規模レコーディングスタジオを借りるというのもありでしょう。

重要なのは、単一のモニター環境は好ましくないということです。

なので、仮に大型のモニタースピーカーを置ける環境であったとしてもモニターヘッドフォンは必要ですし、スピーカーとヘッドフォンは共に複数台用意できると尚良しです。

オーディオインターフェース

オーディオインターフェース(略:オーディオI/F)とは、PCにマイクや楽器を接続するための機器です。

これを使うことで、PC(DAW)にボーカルやエレキギターを録音したり、DAW内のオーディオデータを高音質で聴くことができるようになります。

あれ?パソコンにもヘッドホン出力とかマイク入力端子付いてるよね?

パソコンの入出力端子は最低限の性能しか有していないため、音楽制作には不向きです。

PCにも標準でマイク入力やヘッドホン出力(サウンドカード≒オーディオI/F)が内蔵されていますが、これは音楽制作に使うには性能が心許ないです。

というのも、PC標準のサウンドカードはWeb会議や音声通話レベルの音声録音と、最低限の再生能力しか持っていないためです。

ノイズが混入するなど録音品質が低いのは言うまでもなく、DAW内のトラック数が多くなるに連れてレイテンシー1録音した音がコンピュータに送信され、ヘッドフォンやスピーカーに戻るまでの時間が生じる可能性が非常に高いのです。

従って、マイクや楽器の音を綺麗に録音したりPC内の音を高音質で再生したりするにはオーディオI/Fが必須なのです。

仕組みについての詳細説明(飛ばしてもOKです)

オーディオI/Fは、少し固い説明をすると「アナログ信号とデジタル信号の相互変換機能(AD/DAコンバーター)に加え、マイクプリアンプなどの増幅回路、そして様々な規格の入出力端子を搭載した外部装置」となります。


まず、AD/DAというのはそれぞれ、Analog (to) Digital、Digital (to) Analogの略です。

マイクや楽器などのアナログ信号を、PCなどのデジタル機器で扱えるようにデジタル信号へと変換する、つまりDAWへの録音を可能にするのがAD変換です。

対して、PC内のデジタル信号をヘッドフォンやスピーカーで聴けるようにアナログ信号へと変換するのがDA変換です。

オーディオI/Fに備わっている入出力端子には、こうしたAD/DA変換を担う回路(AD/DAコンバーター)が内蔵されている訳です。


これに加えて、より良い音でマイクを録音できるようにする「マイクプリアンプ」や、ハイインピーダンス接続に対応した楽器用入力など、様々な機能が備わっていることが一般的です。

つまり、「オーディオI/F = AD/DAコンバーター + マイクプリ + マイク/楽器用入力 + ヘッドフォン/スピーカー出力」と一般化できます。

もちろん製品によっては、DSPで駆動する内蔵エフェクトだったり、MIDI入出力などのデジタル端子を備えているものもあるので、あくまで一般論です。


余談ですが、オーディオI/Fは複合的な機器である分、各機能だけに特化した製品と比べるとややスペックが劣ります。

ただ、一台だけで音楽制作に必要なものが揃うというのはこの上ないメリットですから、音楽制作用途であればオーディオI/Fを購入するのが最適解だと思います。

MIDIコントローラー

MIDIコントローラーについて説明する前に、まずは「MIDI(ミディ)」という用語について簡単に説明しますね(知ってる方は飛ばして下さい)。

MIDIとは「Musical Instrument Digital Interface」の頭文字を取ったもので、「演奏情報を記録したデジタルデータを、複数の機器間で転送・共有する際に採用されている世界共通規格」を指します。

送信・受信には、MIDI端子もしくはUSB端子が使用されています(現在はUSB端子が主流)。

MIDIとは簡単に言えば、「音の高さ、大きさ、長さを数値化したもの」です。

重要なのは、MIDIはあくまで数値でしかないので、これだけでは音が出ないということです。

MIDIに対応したシンセサイザーなどの楽器や、PC内で立ち上げたソフトウェア音源に送ることで、初めて音が鳴るのです。

このMIDI(データ)を生成し、USB/MIDIケーブルを介して別の機器に送る機能を備えたコントローラーが、MIDIコントローラーというわけです。


MIDIコントローラーで最も一般的なのはピアノを模した鍵盤型(MIDIキーボード)ですが、中には指で叩いて操作するパッド型や、鍵盤とパッドを兼ね備えたハイブリッドモデルも存在します。

また、MIDIキーボードとしても使えるアナログシンセサイザーや電子キーボードもありますね2USB端子もしくはMIDI端子が搭載されているシンセサイザー及び電子キーボードは、基本的にPCと繋いでMIDIキーボードとしても使えることが多い。)。


ちなみに、DAWにおいては、MIDIコントローラーが無くてもマウスでMIDIを打ち込むこともできます。

ただ、大量のMIDIをマウスでポチポチ入力するのは大変ですから、可能であれば用意することをオススメします。仮に打ち込みに使わなくとも、起動したソフト音源の音色チェックにも使えますから。

外部音源・プラグイン

各社から販売されているDAWには、様々な楽器の音色を鳴らせる「ソフトウェア音源」や、音に変化を加える「プラグイン・エフェクト」が多数付属しています。

一昔前までは「付属ソフト=クオリティが低い」というイメージが根強かったそうですが、現行のDAWに付属するソフトは軒並みクオリティが高くなっています。

付属音源を中心に楽曲制作を行なっているプロの方もいるほどです。従って、付属ソフトだけでも楽曲制作は十分に可能です。


しかし、有料で販売されている音源やプラグインは各メーカーが膨大なリソースを掛けて制作していることが多く、付属ソフトでは得られないクオリティを持つものが多いのも事実です。

なので、まずは付属ソフトだけで曲を作ってみて、物足りないと感じる部分が出てきたらサードパーティ製の有料音源・プラグインを導入する流れがよろしいのではないかと存じます。

もちろん、本気でDTMを続ける気があれば、DAWと一緒に有料音源を購入するのもありです。ハイクオリティな音源は鳴らすだけで気分も上がりますしね(散財にはお気をつけを)。

マイク

ボーカルやアコースティックギターなどを録音する際に必要です。

先述したオーディオインターフェースに接続して使うために、併せてマイクケーブルも必要ですね。

音楽制作に使われるマイクの種類には、大きく分けて「ダイナミック型マイク」と「コンデンサー型マイク」があります。

主な違いは以下の通りです。

ダイナミック型マイク
コンデンサー型マイク
  • 比較的安価
  • 録音できる周波数帯域(音の範囲)が比較的狭い
  • 衝撃、湿気、ノイズに強い
  • 電源不要
  • ライブ、会議向け
  • 比較的高価
  • 録音できる周波数帯域(音の範囲)が広い
  • 衝撃、湿気、ノイズに弱い
  • 電源供給が必要
  • レコーディング向け

自宅でボーカルやアコギを録音したいと考えている方は、コンデンサー型マイクを選ぶと良いでしょう。

マイクについての詳細な解説は以下の記事で行なっていますので、お時間のある方はご覧くださいませ。(リライト中)

ギターやピアノなどの楽器

DTM、つまりDAWを使った楽曲制作というのは、やろうと思えばPC内で完結させることも十分に可能です。

なので、エレキギターやピアノを用意せずとも、なんなら演奏スキルがなくても大丈夫なんです。

ただそれでも、「ギターかピアノのどちらか片方は弾けた方が良い」というのが通説です。

理由としては、楽器の演奏スキルがあれば、その楽器を使った演奏フレーズ(リフなど)を考案しやすくなるのはもちろん、曲を作るための音楽理論を理解しやすくなるというメリットがあるからです。


もちろん、楽器を弾かずにマウスとキーボードだけを使って曲を作ってるプロの方も大勢います。

最近ですと、YOASOBIのAyaseさんがそのスタイルで話題になりましたね。

ただAyaseさんは小さい頃からピアノを習っていた経験があり、更には絶対音感を持っているようなので、「Ayaseさんはマウスだけで曲作ってるらしいし、俺も楽器なんか練習しなくていいか!」とはなりませんね。笑

Q.ギターもピアノも経験ないんだけど、新しく始めるならどっちがいい?

ギター歴10年、ピアノ歴2年(ほぼ挫折)の筆者としてはギターをお勧めします。

なぜなら、楽曲制作に最低限求められるレベルの演奏スキルを身につけるまでの時間と労力は、ギターの方が圧倒的に少ないからです。


よく「ピアノは押せば音が出るからギターより簡単だ」という意見を目にします。

これは譜面通りに予め決まった音を演奏する場合に限った話なので、半分正解で半分間違いです。

と言いますのも、ピアノという楽器は、スケール(音の並び)を覚えて使い分けるのが非常に難しいのです。

ピアノを譜面通りに弾くのはさほど難しくはないんです。この曲のキーは何なのか、どの鍵盤が何の音なのか、今自分が押さえているコードは何なのかを理解していなくても、簡単な曲であれば数日間反復練習すればその曲だけは弾けるようになるでしょう。

しかし楽曲制作においては、譜面通りに弾く力ではなく譜面を作る能力、つまり鍵盤に対する理解度が求められます。それを覚えるのが非常に難しいんです。

Cメジャーキーであれば使う鍵盤は白鍵だけですが、半音だけでもキーが移動すると(つまりC#/D♭メジャー)、黒鍵が入り混じってきて使う鍵盤がまるで異なります。

これを全12キー分、更に各キーごとにメジャー/マイナーなど様々なスケールで覚える必要があるんです。

子供たちがプロのピアノ教師の下で数年間掛けて頭に叩き込むようなものを、大人になってから始めるのは相当な根気が必要です。

自分はピアノでのキー及びスケールの習得は諦めた上で、Cキーだけを極めてMIDIキーボードに付いてるトランスポーズ機能を使用しています(苦笑)。


対してギターは、確かに始めたては音を綺麗に鳴らすのも一苦労です。

でも、弦の押さえ方(パターン)を覚えてしまえば、その形を保ったまま指板上を平行移動するだけであらゆるコードが弾ける構造になっています(興味のある方は「CAGEDシステム」などと調べてみてください)。

楽曲制作においてはコードを弾けるだけでも十分です。その段階(コード進行を演奏できるようになる)に辿り着くまでに必要な時間と労力は、ギターの方が明らかに少ないです。

これが、筆者がギターをおすすめする理由です。


ただ、可能であれば、ピアノの方もCキーだけでもダイアトニックコード(メジャー/マイナー両方)を弾けるぐらいには練習することをオススメします。

それだけでも、MIDIキーボードを使って色々なソフト音源を打ち込めるようになりますから、制作効率が段違いにアップします。

他のキーを演奏したい時は、MIDIキーボードに備わっているトランスポーズ機能を使ったり、DAWに打ち込んだ後に手作業でトランスポーズしちゃえば良いんです。

トランスポーズ機能を使うとピアノが下手になるとか言う人もよく見かけますけど、曲を作りたい人がやりたいのはピアノを上手く弾くことじゃなくて曲を作ることですからね。

気にせずトランスポーズしていきましょう。もちろん、ピアノも上手くなりたい人はちゃんと基礎練習することをオススメしますよ。

総括

DTMに必要な機材、そして選び方の基準について解説しました。本記事が、これからDTMを始めようと思っている方、あるいはDTMに対する知識を深めたい方のお役に立てれば幸いです。

本ブログでは、有名なミュージシャンの使用機材情報や、作曲に役立つヒントを発信しています。お時間のある方は、関連記事やホームから別記事もご覧いただけますと幸いです。

それでは、最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

【2022年】DTMの始め方!〜基本知識と必要機材について〜【解説】

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