
- 業界標準の圧倒的信頼感
- 音の解像度が非常に高い
- 保守部品やサードパーティ製品が豊富
- ミックスには向かない
- 装着感はあまり良くない(個人差あり)
ブランド | SONY |
カテゴリ | モニターヘッドホン |
販売期間 | 1989年 ~ 現在 |
ユーザー | 秋山黄色 天月 カンザキイオリ 周防パトラ 須田景凪 田中秀和 ツミキ なきそ 星野源 sumika Chinozo Vaundy Yunomi 40mP Lapix |
競合製品 | Sony / MDR-7506 Audio-Technica / ATH-M50x |
解説
実際に本製品を使っている筆者の個人的な感想も交えつつ、メリット・デメリットについて解説していきます。
メリット
業界標準の圧倒的信頼感
SONY MDR-CD900STは、1989年の発売以来モニターヘッドホンのデファクトスタンダードとして君臨し続けています。
「第一線で活躍されているプロの方々がCD900STを愛用している」という確かな事実は、アマチュアDTMerや初心者がCD900STを購入する大きな理由になるでしょう。
また、本製品は業界標準であるが故に、どこのスタジオにもほぼ確実に置いてあるので、本製品を普段使いしている方であれば出先でも同じ感覚でモニターができるというメリットもあります。
音の解像度が非常に高い
CD900STは、音の解像度が非常に高く、定位もはっきり聴き分けることができます。中でも特に高音域の解像度が高いため、音の粗やノイズを探すのに適しています。
こうした特性から、ボーカルおよび楽器演奏などのレコーディングだけでなく、トラックに含まれるノイズのチェック時にも使われることが多いです。
保守部品やサードパーティ製品が豊富。
ドライバーユニットや組み立て用のネジまでも売っているため、その気になれば各パーツをバラ買いして自分でMDR-900STを作り上げることも可能です。
また、サードパーティー製品も非常に充実しているため、自分好みにカスタマイズしてみるのも一興です。参考までに、筆者はイヤーパッドを純正のものから「YAXI / stpad-DX-LR」に交換しています。
デメリット
ミックスには向かない。
CD900STがミックスに向かない理由は以下の2点です。
- 100Hz以下の低音域(重低音域)がロールオフされている。
- ミックスに使うには高音域の解像度が高過ぎる。
更に、前述の通りCD900STは高域の解像度が非常に高いです。数値上では10kHz辺りにピークがあります。この特性はモニターにこそ役立ちますが、全体のバランスを正確に把握しなければならないミックスには支障となり得るでしょう。
装着感はあまり良くない(個人差あり)。
これは筆者の個人的な経験ですが、CD900STはイヤーパッドが非常に薄いため、ドライバーユニットが耳に当たって痛くなることが多かったです。連続使用は30分が限界でした。
また、CD900STはオーバーイヤー型ヘッドホンとして売られているものの、実際の装着感としてはオンイヤー型に近いと思います。
ただ、ネット上のレビューを見ると「CD900STは長時間の装着も快適」という声が多いので、やはり感じ方には個人差があるようです。
本製品に限らず、ヘッドホンは購入する前に量販店などで一度試用することを強くオススメいたします。
筆者と同様、CD900STの装着感に悩んでいる方には、イヤーパッドを「YAXI / stpad-DX-LR」に換装することをオススメいたします。
純正のモノより厚みがあるので、ユニットと耳が接触しなくなるだけでなく、密閉性が高まることでより低域が聞こえやすくなるといった聴感上の改善も得られます。